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閉じた唇 ローマで見た Les lèvres closes Vu à Rome

          閉じた唇
          ローマで見た

ローマの、システィナ礼拝堂には、
キリスト教のエンブレムで覆われた、
緋色の小箱がある、
そこで昔の鼻たちが干からびている。

鼻、テバイードの苦行僧の、
鼻、聖杯の参事会員の、
そこで固まったのは、鉛色の夜、
そして不気味な昔の単旋律聖歌。

鼻たちの神秘的な渇きのところに、
毎朝、離教者の
汚い物がもたらされている、
それは細かい粉末に変えられる。

      レオン ディエルクス.
      A.R.


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百合 Lys

            百合

オーぶらーんこ! オー百合! 銀の洗浄ポンプ!
労働を無視、飢えを無視!
夜明けの光は愛の洗浄液であなたを満たす!
天の甘美はあなたのおしべにバターを塗る!

          アルマン シルヴェストル
          A.R.


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アルバム ジュティック 偶像 けつの穴のソネット Album zutique L'idole Sonnet du Trou du Cul

アルバム ジュティック 偶像
        けつの穴のソネット

薄暗く皺がよって紫の撫子のように
それは息づく。愛でまだ濡れた苔の間で
つつましくうずくまって。その苔も白い尻の
甘美な漏れ口に続く、めくれたハート形まで。

乳色の涙に似た幾筋かが
泣き濡れた。それらを押し戻す凶暴な風を受け、
赤茶けた泥灰岩のかわいい血餅を通り、
斜面が呼ぶところに消えようとして。

ぼくの夢はしばしばその吸い玉に結ばれた。
ぼくの魂は、物質的な交接に嫉妬して、
それを野獣の眼下腺や嗚咽の巣にした。

それは気絶したオリーブの実、そして甘いフルート。
それは管、そこを天上のプラリーヌが降りてくる。
女のカナン、囲まれた湿気のなかだ!

                 アルベール メラ.
                 P. V.- A. R.




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精霊 GÉNIE

               精霊

 彼は愛情と現在だ。泡立つ冬や夏のざわめきに、彼が家を開放したから。彼、飲み物と食べ物を清めた。彼、逃避する場所の魅惑だ、そして立ちどまる場所の超人間的な歓喜だ。彼は愛情と未来だ。力と愛だ。激怒と倦怠のなかに立つぼくたちは、それが嵐の空と恍惚の旗々のなかを通るのを見る。
 彼は愛、新たに創られた完璧な尺度、予想を超える驚くべき理性、そして永遠だ。運命的な資格をもつ愛される機械だ。ぼくたちは皆、彼の譲歩と、ぼくたちの譲歩に恐怖を覚えた。おお、ぼくたちの健康の喜び、ぼくたちの能力の跳躍、利己主義の愛情と彼への情熱、彼の無限の生命の間にぼくたちを愛する彼. . .
 ぼくたちは彼を思い出すと、彼は旅をしている. . . そして崇拝が立ち去ると、響く、彼の約束が鳴り響く、《下がれ、これらの迷信、古い肉体、所帯、世代。そんな時代などは、崩れ去ったのだ!》
 彼は立ち去らず、天から再び降りることもないだろう。女のかんしゃくや、男のはしゃぎや、すべてのその罪の贖罪を彼は果たさないだろう。なぜなら、彼が存在していて、彼が愛されていることで、それはもう為されているのだから。
 おお、彼の息づかい、彼の顔々、彼の走り。形態と行動を完全にする恐るべき迅速さ。
 おお、精神の豊饒と宇宙の広大よ!
 彼の肉体! 夢に見た解放、新しい暴力と交配された恩寵の破壊!
 彼の視線、彼の視線! すべての古い跪拝と罰。彼の後に解放されている。
 彼の光! よく響き様相を変える、すべての苦しみの消滅。より強い音楽のなかにある。
 彼の歩み! かつての侵略よりも巨大な移動。
 おお、彼とぼくたち! 失われた慈愛よりも情のある誇り。
 おお、世界よ! 新しい不幸の澄んだ歌よ!
 彼はぼくたちすべてを知った、そしてぼくたちすべてを愛した。知ろうではないか、冬のこの夜、岬から岬へ、騒然とした極地から城へ、群衆から浜辺へ、眼差しから眼差しへ、疲れた力と感情で、彼に呼びかけ彼に会い、そして彼を送り返すことを。そして潮流の下と雪の砂漠の頂上で、彼の視線、彼の息、彼の肉体、彼の光の後について行くことを。


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民主主義 DÉMOCRATIE

               民主主義

《 旗が不潔きわまる風景にむかっている、おれたちのお国なまりが太鼓の音をかき消している。
《 中心地で、このうえない破廉恥な売春をはびこらせよう。筋の通った反乱なんか皆殺しにしてやろう。
《 胡椒の香りの、水浸しの国々で! ― 産業や軍事の最も恐るべき開発に仕えることで。
《 この地はさらばだ、どこでもいい。熱意の新兵であるおれたちは、冷酷な哲学を持つんだ。学問には無知、安楽には放蕩だ。こんな世界はくたばれ。これが真の行進だ。前へ、進め!》


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信心 DÉVOTION

               信心

 わが修道女ルイーズ ヴァナン ドゥ ヴォリンゲムへ。― 彼女の青い頭巾、北海へ向けられている。― 難破船の人々のために。
 わが修道女レオニー オーボワ ダシュビーへ。うっ ― 夏草、うなりそして臭い。― 母たちと子どもたちの熱病のために。
 リュリュへ、― 悪魔 ― その人には女友達の時代や不完全な教育の時代の祈祷室趣味があった。男たちのために! マダム×××へ。
 ぼくにかつて在った青春時代の人へ。修道院か伝道館の、あの聖なる老人へ。
 貧しい人たちの精神へ。そして非常に高位な聖職者へ。
 さらに、すべての礼拝へ。それは、記念の礼拝所のような場所で、従わざるを得ないような情勢のなかで、目下の熱望あるいはぼくたち自身の確かな悪徳に従っている。
 今宵は、シルセトヘ。それは、高い氷塊であり、魚のように太り、赤い夜の十ヶ月のように照らされている ―(その心は琥珀と火口)、― 夜のそれらの地域のように無言で唯一のぼくの祈りのために、あの極地の混沌よりも荒々しい勇気に先立ちながら。
 どんな代価を払ってでも、またどんな様子であろうとも、形而上の旅のなかでさえも。― しかし、もうその時などは。


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運動 MOUVEMENT

           運動

滝々が大河に注ぎ込んでいる崖に向かうジグザグ運動、
船尾の渦巻き、
勾配の迅速、
水流のけた外れな気まぐれ、
それらは旅人たちを運んでいる。驚くべき知性と
化学の新発見によって。
彼らは取り囲まれている。渓谷の竜巻と
奔流に。

それは世界の征服者たちだ、
個人的な化学の富を探し求めている。
スポーツと安楽は彼らとともに旅をしている。
彼らは諸民族の、諸階級の、動物たちの教育を
連れて行く。この船に乗せて。
休息とめまい、
光の大洪水のある、
研究のすさまじい夜々の。

なぜなら、装置 ― 血、花、火、宝石 ― のなかの雑談から、
この逃げる船での動きの多い計算から、
― 気づくのだ、水力発動航路のその先にある堤防のように巡っている、
巨大な、限りなく光っている、― 彼らの研究の蓄積に。
彼らは駆り立てられている。調和のある恍惚と
発見のヒロイズムに。

きわめて驚くべき大気の異変で
若い一組のカップルは方舟に孤立している、
― 許される昔からある蛮行か?
歌っている、そして身構えている。


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H H

                H

 あらゆる奇怪なものがオルタンスのすさまじい行為を侵している。その孤独は性愛の仕組みにあり、その倦怠は官能の活発さにある。子ども時代の監視の下で、それは多くの時代で、諸民族の熱い衛生法だった。その扉は貧者に開かれている。現在ある道徳は、その熱情あるいはその行動のなかで解体される。― 血に染まった床のうえの、水素の明かりのなかの、おお、うぶな愛の激しい戦慄よ! オルタンスを見いだせ。  


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ボトム BOTTOM

              ボトム

 現実は、ぼくの偉大な性格にとってとげとげしすぎるのだが、―それでもぼくの奥方のところに、ぼくはいた。灰青色の大鳥になって、天井の刳(く)り形の方へ飛び立ちながら、夕闇の中で翼を引きずりながら。
 彼女の大好きな宝石と彼女の肉体の傑作を受け入れている天蓋の足もとで、ぼくは一頭の大熊だった。紫の歯茎をして、悲しみの白い毛をして、その両目はクリスタルガラスとコンソールテーブルの銀製品に向いていた。
 すべてが闇になり焼けつく水槽になった。
 その朝、― 好戦的な六月の暁、― ぼくは野原を走った。驢馬になり、甲高い声をあげ、ぼくの不満を振り回し、郊外にいるサビナの女たちがぼくの胸に飛び込んでくるまで。

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歴史的な夕暮 SOIR HISTORIQUE

              歴史的な夕暮

 ある夕暮に、たとえば、ぼくたちの経済上の恐怖から身を引いた素朴な旅行者がいるような時だが、一人の名人の手は草原のクラヴサンを活気づけている。池の底でトランプ遊びをするひとびとがいる、池は王妃や愛妾たちを想起させる鏡。聖女たち、数々のヴェール、ハーモニーの幾筋もの流れ、伝説的な半音階法、それぞれをひとびとは夕空に遭遇している。
 彼は狩猟者や遊牧民が通るのを見て震えている。喜劇は芝生の舞台の上に滴っている。おまけに、これらの愚かな場面での貧者や弱者らの困惑よ!
 彼のとりこになった目に、― ドイツが月に向かって足場を組み、タタールの砂漠には明かりがともる ― 昔の数々の反乱はシナ帝国の中心でひしめいている、王たちの階段や肘掛け椅子を通って ― 青ざめて平凡な小世界、アフリカと西欧諸国が築かれようとしている。次に、ありふれた海と夜のバレー、くだらない化学、聞くに堪えない数々のメロディー。
 同じブルジョワの魔術だ、郵便馬車がぼくたちを降ろしているすべての地点での! 最も初歩的な物理学者でも、その個人的な雰囲気に、肉体的な後悔の霧に、従うことがもはや可能でないことを気づいている。その雰囲気は、その確認がすでに苦悩となっている。
 違う! ― 蒸し風呂の、持ち上げられた大海原の、地底の大火災の、激怒した地球の、その結果として起る絶滅の時だ。それらは聖書や女神ノルヌたちによって示された、ほとんど悪意のない確実なものなんだ。そして真剣な人間に対しては監視することが与えられるだろう。― しかしながら、それは伝説の結果では全然ないだろう!


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