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追憶 Ressouvenir

           追憶

あの年は皇帝のプリンスが生まれた年で、澄みきった
パリの大いに心のこもった思い出をぼくに残している。
そこでは金色や雪色のNの文字が、
宮殿の鉄柵や回転木馬の観覧席で、
光り輝いていた。トリコロールのリボンで飾られて。
くたびれた大帽子、花柄の暖かいチョッキ、
古びたフロックコートを着た人々、そして安食堂での
昔の労働者らの歌々がひびく人々の渦のなかで、
撒かれたショールの上を、皇帝は進む。黒い
正装で、聖スペイン女性とともに、あの宵。

             フランソワ コペ


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