箒 Le balai [編集]
箒
それはしがないシバムギの箒、固すぎて
部屋にも壁の塗装にも使えない。
それを使うとがっかりして、笑う価値すらない。
根はどこか昔の草地で引き抜かれ
生気のない毛は干からび、柄は色あせした。
酷暑で赤くなった島の林のようだ。
細紐は凍った三つ編みのように見える。
ぼくはこの物の荒涼とした味わいが好きだ
きみの大きな乳色の縁をそれで洗ってあげたいな、
おお月よ、ぼくらの死んだ妹らの精霊が好んでいる。
F. C.
2024-02-20 21:22
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